再・出発点

先日、5月28日のこと。
YAMAHAさんとNTTコミュニケーションズさんが共同開発した次世代配信技術「GPAP over MoQ」。
そのリリース発表の場に、モデルアーティストとして参加させていただき、ヤマハ銀座スタジオにて演奏しました。

物理的に離れた複数の会場をリアルタイムでつなぎ、一体感あるライブ体験を実現する――
まさに“次世代の音楽の届け方”。
この新しい取り組みが、いま動き出しています。

ニュースリリースにも取り上げられました👇
🔗 公式発表はこちら

そしてテレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』でも特集されました!
NTT ComとYAMAHAによる、高臨場・低遅延・双方向を実現するこの技術に触れられる貴重な映像です。(演奏の模様も映ってます)


この実験ライブは、関係者のみでのイベントで、これまで詳しくは触れてきませんでした。
昨年11月にGLASS TOPとしての活動に幕を下ろしてから、自分自身、音楽との向き合い方に迷っていた時期にいただいたお話。

正直、最初は迷いました。
立場のない自分が、ここに関わっていいのか。
ミュージシャンとしての未来を描き切れないまま、どこに情熱を向ければいいのか分からないままでいた。

でも、それでも、
声をかけてもらえたことは嬉しかった。ありがたかった。
“何か力になれるなら”という思いで、参加を決めました。

最初はひとりでの演奏。
テストを繰り返す中で、バンドの音があった方が今回の実証実験に有意義だと感じ、仲間たちにも加わってもらった。

そして迎えた5月28日。
YAMAHAさん、NTTコミュニケーションズさんにとっての節目の一日。
僕はあくまで協力者の立場ですが、自分なりにこの日を特別な想いで迎えました。

昨年のGLASS TOP FINAL以来、久々の“人前での音楽”。
テスト演奏を重ねる中で、「音楽ってやっぱり楽しいな」と、純粋な気持ちが少しずつ戻ってきた。
自分ひとりでは見えなかった景色が、関わる人たちの熱意や優しさによって、自然と心に灯をともしてくれた。

自分がずっと大切にしてきたものは、昨年で一度終わった。
だからこそ、新しい意味や想いを見つけられなければ、もう歌えないと思っていた。
でも、また“音楽がしたい”と自然と思えるようになった。
今回の機会を通じて、与えてもらったものだと感じるし、感謝しかない。

だから5月28日のステージは特別。
僕なりに音楽に想いを乗せて、感謝を込めて、少しでも今回の企画がうまくいけば、という思い。
そしてまた僕も、これを機に始めるんだと。
もう一回音楽で夢を見るんだと。
そんな気持ちだった。

前日からゲネプロがあったりもして。
二日間、社員の方々は本当にいろいろと大変だったと思う。
僕はと言えば、
やりやすい環境をお膳立てしてもらって、大好きな人間に囲まれて、ただただ幸せな時間だった。
YAMAHAとNTTという大企業の事業に、音楽を通じて関われたことは大変光栄なこと。
現場を通じてそのプロフェッショナルをたくさん感じたし、何より仕事に対して愛がある人ばかりだったのが印象的だった。

そして、このプロジェクトに関わって感じたこと。
「GPAP over MoQ」は、大きな企業による先進的な取り組みだけど、その出発点は、関わる一人ひとりの“夢”だった。
大きな技術も、遠くにあるものではない。
そこには、純粋な想いや情熱が息づいていて、それが全てをつないでいるのだと感じました。


僕自身のこれから。

これからは“何を”よりも“誰と”を一番に大事に歩んでいきたい。
素晴らしい楽曲を作るのはもちろん大事。
でもそれ以上に誰に届けたいか、誰と共有したいか、そういうことの方がずっと大切に感じる。

今月になって自分の新しい音楽制作にも取り掛かってます。
本当に自分自身納得したものができたタイミングで、また発表できたらと考えてる。

物語はまだ生きてる。
人生は続いていく。
後悔はつまらないから。
全部を受け止められるように、全部を愛せるように、
‘いつか’が‘あの日’を抱きしめられるように。

今回のプロジェクトは、自分にとって再出発でした。
改めて、関わってくれたすべての方に感謝しています。

だから僕も、僕の音楽で応えたい。
もう一度、心に火を灯して。
エンタメには、エンタメでしか生み出せない何かがある。
そして、小林 佳にしか生み出せない“世界”が、きっとある。

もう一度、自分を信じて。
また、感動的な瞬間を、あなたと作れたら。



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